社会主義が、情報化社会の展開のもとで、いつまでも、「言わしめない・聞かしめない・知らしめない」という鎖国状態を保つしかし、二○世紀末に起こった、もう一つのメガトレンド(大潮流)を忘れたくない。
これも、言葉で表せば、「社会」主義に対する「個人」主義の勝利と呼んでいいものだ。
「重厚長大」から「軽薄短小」への転換だ。
ダウンサイジング(小型化)の勝利である。
その転換の主役を演じたのが、これまたコンピュータであった。
パソコンの驚くべき進化ことができなくなったのである。
情報は、やすやすと国境を越えるからだ。
この世界的な大転換が生じたのは一九八○年代末だ。
それから五年余、大転換が定着し、すでに私たちは確実に三世紀を生き始めている。
コンピュータの進化は、超能力を持った大型コンピュータが、全人間を自動的に支配・管理する社会をもたらすと、さまざまな分野で予測された。
その大型コンピュータをもつ国家、ないしは特定産業(人)に権力が集中する中央集権社会が到来すると予想された。
だが、そうはならなかった。
パソコンの発達によってである。
国家が開かれ、情報が全面公開されない社会で、情報化社会の進展はありえない。
個人が自在に、情報を個人、産業、地域、国家、全世界に向けて発信可能な社会になってきた。
パソコンによって、個人は、やすやすと「国家」の壁を越えてゆく。
個人と個人が、パソコンを媒介(メディア)に、すべてのものを「交通」することが可能な社会に、今私たちは生きている。
パソコンを活用しない人は、この新しく開かれた世界の可能性を、自ら閉じてしまうことを意味する。
パソコンを活用して思考しない人は、「新思考」の試みに目をつぶることを意味する。
私が、パソコンの初心者にもかかわらず、否、初心者であるからこそ、「パソコン活用思考術」なるテーマのもとで本書を言いたのも、この新しい世界の可能性を、より多くの人に知ってもらいたかったからだ。
ところが、アメリカとともに、パソコン社会の進化に向かっている日本で、他でもない情報化社会への全面展開を妨げている、さまざまな障害が存在するのである。
もし、日本が、私たちが、この障害を取り除かなかったら、日本は、パソコン二流国はおろか、自在に、受信可能な時代がきたのだ。
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